スクーリング・パッド レポートその20・井手直行さん

スクーリング・パッド レストランビジネスデザイン学部第15期、この日のゲストはヤッホーブルーイング代表取締役社長・井手直行さん。「よなよなエール」や「水曜日のネコ」など、ちょっと変わったネーミングののクラフトビールを数多く手がけるメーカーです。

1996年に設立されたヤッホーブルイーング。当時は、いわゆる"地ビールブーム"というのがありましたが、ブームが去った後は倒産の危機だったそうです。
そこでとった施策が、なんと冬眠戦略。コンセプトはもちろん、いつか日本人もわかってくれるとエールビールという軸から外れず、1缶248円という値段も、ブランド名も変えないという作戦でした。しかし、冬眠中も味の改善・安定化を図っていたそうです。

長い冬眠の後、ヱビスビールやプレミアムモルツなど、高級志向ビールの波が来ます。冬眠しているあいだに、市場が変化していったのです。そこで、ヤッホーブルイーングではネット販売にチカラを入れ、現在では8年連続増収増益をおさめるまでに成長しました。

製品開発の基本方針は「脱コモディティ」。ターゲットは明確に、せまく、おもいきり差別化し、小さなマーケットで勝負をする。勇気がいることをやるとおっしゃっていました。

具体例として「水曜日のネコ」がどのようにできたのかを教えていただきました。
クラフトビールのリーダーとしてフルラインナップを図るとして、クラフトビール市場のポジショニングマップをつくったところ、「安い」「女性」「ホワイトビール」というポイントに穴をみつける・・・というマーケティング的なアプローチがスタートだったそうです。
コアターゲットを「TSUBAKIな女性が仕事終わりにOFFタイムにリセットする」、さらにキャラクターを「ネコ」に設定したそうです。キャラクターを立てるという手法はよくとられるそうで、わかりやすい・感情移入しやすい・製品から仲間に変わるという効果があるそうです。
こうして出来た「水曜日のネコ」はナチュラルローソンでの取り扱いが始まり、ヤッホーブルーイングを代表するクラフトビールになったそうです。

そして、ヤッホーブルーイングがファンをとても大事にしていることもわかりました。ブログやネットなどでぶっ飛んだ企画をやってみたり、ファンイベントを開催したり。
製品としても"メジャーになるとマニアが離れていく"という観点から、まだまだ振り切れたビールもつくれるぜ!という想いを込め、米麹やかつをぶしなどで仕立てた「前略 好みなんて聞いてないぜSORRY」を販売して、マニア層向けの施策もおこなっているそうです。

実は今年の7月、長野県佐久市にある醸造所の見学ツアーに参加してきました(当ブログ「よなよなエール・大人の醸造所見学ツアーに行ってきました」という記事でレポートしています)。これも、ファンを大切にする施策のひとつなのかなと思いました。

現状、日本におけるクラフトビールの出荷量シェアは0.5%だそうです(アメリカでは10%)。日本でNo'1のクラフトビールメーカーとして、ヤッホーブルーイング単独で1.0%のシェアを狙い、そして2020年までに年商200億円企業になることを目指しているそうです。

自分が得意なことをつきつめていくと個性になる=変わり者
ヤッホーブルーイングのこと自ら「知的な変わり者」と称する井出さん。ヤッホーブルーイングの快進撃に期待したいと思います。

プロフィール

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林 大輔
旅を売るWebデザイナー / ジャム男子
楽天トラベルでWebデザイナーとして働いています。ごくたまに個人でもWebサイト作ってます。趣味ではジャムをつくる自称・ジャム男子。
著書「FireworksレッスンブックCS6対応」「ガレリアCSS

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