【書評】ウラからのぞけばオモテが見える

デザイナー・佐藤オオキさんと、ジャーナリスト・川上典李子さんによる共著「ウラからのぞけばオモテが見える ー佐藤オオキ/nendo・10の思考法と行動術」を読みました。

世界中のクライアントを相手に、常時250を超えるプロジェクトを抱えるデザインオフィス「nendo」。代表の佐藤オオキ氏の独自の思考法と、チームを挙げてアイデアを具現化する行動術が、多くの企業に支持されています。
本書は、その思考法10と行動術3を初めて1冊にまとめた書籍です。デザイナーのみならず、ビジネスマンにとっても、ビジネス上のヒントを多く含んでいる1冊です。

書籍の中に書かれていたコトバのなかで、特に印象的なフレーズを10ほど抜粋します。

  • 「一歩下がる」ことには2つの意味があります。1つは「一歩下がった」表現によってもたらされる訴求力の高さで、もう1つは「一歩下がった」支店でモノ事を見直すことの重要性です。
  • 昔ながらの状況に拘束されていては、企業として発展していくことは難しいのです。まずは固定化している均衡をあえて崩して、課題を見つけていきます。
  • 「デザインとは花束をプレゼントするようなもの」単に相手のリクエストに応じるのではなく、観察や理解を通じて「相手が本質的に求めているもの」を予測して提供する。
  • 本質を変えず、一層伝わりやすくするためにルールを変えることで進化をもたらすことも出来る
  • アイデアの鮮度が高いうちに形にしていきます
  • アイデアがデザイン事務所の全業務のうち1〜2割しか占めていない。アイデアは最大の差別化要素でありながら、その出番は恐ろしく少ない。
  • デザインを手がける以上結果を求められる。結果とは、クライアントの期待を超えること
  • 「(建築・インテリア・家具・工業製品・グラフィック)5つの分野をやっている」と言うと「5分の1ずつしかやっていない便利屋さん」という見られ方。海外で同じ話をすると「5倍がんばったんだね」・・・日本では専門家に頼みたいというのが一般的なクライアント心理
  • プロである以上「成功すること」よりも「失敗しないこと」に大きな価値があります
  • モノづくりをキャッチボールに例えるなら、デザイナーがボールを長く持っていていいことは何1つありません

35歳という私とあまり変わらない年齢ながら世界で活躍する佐藤オオキさん。物腰の柔らかい佐藤オオキさん雰囲気とは一転して、デザインに対するスピード感・ストイックな姿勢を感じ取ることができます。

クライアントが何を望んでいるかの本質を考え、そのプロセスのなかで様々なアイデアを出し、クライアントが望む以上のモノをアウトプットしつづける。私もデザイナーの一人として、反省する点が多く見つかったそんな一冊でした。

プロフィール

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林 大輔
旅を売るWebデザイナー / ジャム男子
楽天トラベルでWebデザイナーとして働いています。ごくたまに個人でもWebサイト作ってます。趣味ではジャムをつくる自称・ジャム男子。
著書「FireworksレッスンブックCS6対応」「ガレリアCSS

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