JR東日本の新型自動改札機から考える、リピーターの慣れ

気付けばJR東日本・品川駅の自動改札機が、すべて新型の自動改札機に変更されていました。この自動改札機、最大の特徴は残高表示のディスプレイが、従来型よりかなり手前に移動しているという点です。

従来型の自動改札機では、一番奥側のディスプレイに残高が表示されていました。

一方、新型の自動改札機では、ICカードの接触部の近く、自動改札の中間部のディスプレイに残高が表示されます。

ここ十数年「自動改札の奥で残高が表示される」というエクスペリエンス(経験)をしているので、新型の自動改札のように中間部で表示されても気付きませんし、中間部にディスプレイがあるということも想定外。もっというと、新型自動改札の奥にディスプレイっぽいものがあるのも、厄介にさせている要因だと思います。

今までの経験を重視するという点でいうと、この表示位置の変更はなかなか受け入れられないのではないでしょうか。

一方、Yahoo!知恵袋にも「JR東日本、新型自動改札機について。」というQ&Aが立っていました。そこでこんなアンサーがありました。

タッチする時間が短く、入出場データが書込まれていないというトラブルが多発していました。(表示部を手前にもってくることで)タッチしたときに足が遅くなることで、しっかりタッチされ、エラーが減る、ということだと思います。

これが事実かどうかは不明です。JR東日本は1秒タッチキャンペーンを実施してきましたから、ゆっくりタッチして欲しいという想いはあるのでしょうね。
正直もっと別なソリューションを考えたら?とも思うのですが、私はこれもひとつの判断としてはアリなのかなと考えます。

今まで自社サイト内で多数のABテストに関わってきました。
リピーターが多い(orリピーターからの売り上げが多い)Webサイトでまったく新しい機能をリリースするとき、ABテストを実施してみると、テストの結果はリピーターの行動に引きずられがちです。ようは「慣れ」です。「慣れ」や「今までの経験」というものに勝てず、ABテストで負けてしまい、新機能がリリースできなかった・・・というがあります。

一方、戦略的な理由などで、どうしても新機能をリリースしたい・・・ということもあります。新型自動改札機で言うところの「ゆっくり通過して欲しい」という部分ですね。
こういった場合、ABテストの結果からリピーターの数値を除外して見るという方法があります。「慣れ」や「今までの経験」というものがないユーザーに対してABテストをしてみて、テスト結果が良かったら、それはいい機能といえるのではないか?という仮説です。

結局のところは、いままでのユーザーエクスペリエンスを変えてもらってでもリリースしたい新機能なのか、リピーターを重視して判断していくのか、ABテストをどのようにとらえるかの経営判断だと考えます。

JR東日本の新型自動改札機、私も数回利用していますが、いまだ中間部のディスプレイを見られたことがありません。果たしてどれくらいで今までの「慣れ」を解消することが出来るか、個人的に注目していきたいと思います。

プロフィール

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林 大輔
旅を売るWebデザイナー / ジャム男子
楽天トラベルでWebデザイナーとして働いています。ごくたまに個人でもWebサイト作ってます。趣味ではジャムをつくる自称・ジャム男子。
著書「FireworksレッスンブックCS6対応」「ガレリアCSS

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